とある中年女性の日記

一人の時間と惰眠を愛するわたしの脳内と暮らし

看護師1年目の離職に思うこと

mother-nurse.com

このサイトによると平均9.2%とのこと。

これって少ないと感じますか?多いと感じますか?

なんて問いかけが無意味なのはわかっています。

ほとんどの方がこの業種の専門性や実態などは把握していないでしょうし、働く場所も急性期病院から慢性期病院、施設など多様です。福利厚生なども差がありますし。

 

でも、わたしは10年オーバーでこの「異常業界」で働いていますが、やっぱり春から一緒にやってきた(つもり)だった1年目の同僚が「辞める」となると虚しさのようなものを少し感じます。

 

何が異常か

「異常業界」これはわたしが1年目のときにこの業界に対して名付けました。なんだかんだ言ってこの仕事は面白く、刺激的で、生と死に立ち会うという意味で尊いものだと思っています。「人々に貢献できる」これも確かにそうでしょう。しかしわたしは社会人入学で看護学校に入ったという経緯もあり、若い子よりひねくれていて「人のために(自己を犠牲にして働く)」という理念には懐疑的でした。お金もらってるんだしそんなこと考えてこーゆう仕事やってる奴は偽善だ!みたいな。しかし、実際働いてみたらそんな小手先のアタマで考えたことは全て吹っ飛びました。だって偽善なんかで勤まる世界じゃないんだもん。そんなこと考えてやってる先輩なんて一人もいなかった。

 

今は多少労働環境は改善されてきていますが、とにかく忙しかった。

勤務毎の自分のTo Doリスト、これをこなすのに到底時間内じゃ足りない。先輩看護師でも、物理的に足りない計算なんです、確実に。そこに不測の急変やら入院やらが絡む。1年目の自分の技術と要領で計算すると…朝から出勤して日勤終わるのが夜8時すぎ。自宅に帰って仮眠2時間、0時にまた出勤して翌朝残業して昼まで勤務。夕方からの夜勤の時は帰宅が翌朝4時とか。こんなことがザラでした。

さらに委員会活動や会議、これらは休日や夜勤明けの出勤でした(手当がない場合も多かった)。

 

社畜…どころの騒ぎじゃありません。まさに異常。わたしの頃は看護大学卒の先輩は少なく、高卒、看護学校上がりの方がほとんどでした。そして看護学校ってね…、ちょっと洗脳チックなんです。なんというか、修道院的というか、昔は全寮制だったりしてね。そしてそれ以外の世界を知らない方々が大部分なので、その「異常さ」も大きく異を唱えられることもなく、「そのやり方でやってきたからそれでやってる」という印象が強かったです。

 

新人への指導もね…そりゃ「かわいがり」等色々ありましたよ。そして自分が陰でなんて言われてたのかもだいたいわかってた。ええ大人になってから異業種に飛び込むっていうのは大変に違いないけど、ええ大人だからこそ集団の女達が陰で何話してるのかなんて大体予測がつきました。

 

しかしここ最近の動向

残業はなるべくしないように、休日の会議も参加は自由、新人には優しく指導しましょう。

こんなスローガンが割と急に聞こえてくるようになった。

本当に「急に」なんです。でも、スローガンはスローガン。そのために具体的に大きく仕事のやり方を変革するためのマネジメントもなければ、休日の会議を休んだとしてその補填をどうするのか、また新しい新人の指導要綱(意識改革の)もない。

わたしたちは混乱しますよね。タイトルに挙げた「1年目の離職」に絞って言うと、「優しく」指導するってどういうこと?そもそもこの業界でいう「優しさ」って何?みたいなことをわりと考えます。

 

↓苦肉の索

maro55.hatenablog.com

(上記の苦肉の索も読んでいただける方は読んでください 笑)

 

この仕事の専門性と指導における優しさの両立

でも究極的に言うと命を預かってる仕事だし優しく指導しようと厳しく指導しようと「出来ない奴は去れ」みたいなとこはあると思うんです。誰でもイヤですよね。薬の内容や容量をわかってるんだかわかっていないんだか、管1本扱えるか扱えないかわかんない一スタッフに自分や家族の命を預けるのは。そう「イヤ」、とかいう軽い問題じゃなく、絶対そんなの勘弁願いたいですよね。上司にとっては大きな責任問題でもある。

だから…ただ「優しく」指導しろと言われてもねぇ…

って多くのナースが思ってるんじゃないでしょうか。そして結局旧来依然とした厳しい指導を続ける方もあれば、もうややこしいから新人とは関わらないというスタンスの方もいる。「もうそんなこと言うんなら関わらない!」これ一番ダメな態度なんですが、なんかその気持ちもわかるような気がします。

 

それでも結局辞めてしまった彼女

彼女はいわゆる上記の「出来ない奴」だったかもしれない。

だからみんなもそんなレッテルを貼ってた。っていうと聞こえは悪いけど、いわば「爆弾抱えてる」=いつ医療ミスを起こすかしれない、人物としてみんなマークしてた。マークされるのは彼女はさぞかしつらかったろう。鈍感な子じゃないからわかってた筈。

でも周りがマークすることによって患者の安全を守る義務がある。一緒に夜勤をする先輩には緊張が走った。

それは事実。

でも、そんなレッテルの中に少しも悪意…というか彼女のことを「お荷物」と考える意識がなかったかといえばそうでもない。そんな目の中で曲がりなりにも毎日頑張って出勤してきていた彼女。あからさまな悪口や攻撃はなかったとしても、彼女が居やすい雰囲気を自分は積極的に作ってあげてたか、失敗の後のフォローをしてあげただろうか、そんなことに堂々と「ええ!」と答えられる自信もない。

 

そんなこんなで、自分自身の自信喪失と周りの目が相まって、彼女は辞めてしまったのだろう。それは正しい選択だったかもしれないけど。

 

なんか最後の挨拶に来た彼女がただの可愛らしい娘さんだったので、切なくなってしまい、この記事を挙げました。

 

 

以上でした。