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とある中年女性の日記

一人の時間と惰眠を愛するわたしの脳内と暮らし

パルメザンチーズのリゾット

食べる・飲む 雑談
最大限良く言って松雪泰子、率直に言えばポール・マッカートニー似の妹が夫と子達を連れて帰省してきていた。 

この妹、高校生の時お嬢系短大に安易に推薦入学しようとしていたところを、わたしがあまりのミスマッチを的確に(オホホ!)指摘、調理師専門学校に進路を変更した。
好きだったのだ。食べ物にまつわることが。
高校生ながら米からリゾットを炊いては、当時は今より高価で、近所のスーパーで売ってないパルメザンチーズの塊を大根おろし器ですりおろしていた日曜日の朝の妹。遅くまで本を読んでいたわたしは日曜日と言えば朝寝坊で、できあがった頃大声で起こされ、昭和の狭い作りの台所で一緒にブランチを食べる。

「米、洗わないんだよ」「ええ〜っ」「米にもアルデンテがあるんだよ」「ふぅーん」

考えたらその頃はちょうどバブルの終わり。イタメシブームなるものが遅れて地方に定着してきた頃だったのかも知れないが、リゾットはパスタとは比べものにならないマイナー感だった。
しかも具のない、米とチーズのみの地味な粥。

「あんたコレどこで買ったのよ?」「明治屋

そうだそうだ、今でこそカルディやら何やらあるが昔は都会まで電車に乗って行って明治屋で色々買ったもんだ。
10代の半ば頃、妹を連れて、少ない小遣い持って、宝物みたいに一つ一つ選んだジャムや菓子。パルコに入ってるDCブランドの服はとても買えないからウインドウショッピングして、明治屋に寄る。
いつのまにかそこで一人でか友達とかボーイフレンドとか知らないけど、ブイヨンとパルメザンチーズをゲットできるようになって、作ったんだね、これ。

やっぱあんた地道だわ。半端ないグラウンディングだわ。
あたし、ジャムと菓子だもん。本ばっか読んで宵っ張りの朝寝坊だもん。

そしてこの帰省でも20年以上前の上記同様の感想を抱かせる妻、母っぷりであった妹の夫は似非意識高い系(褒め言葉)エンジニアのエリート(これ以上はわからん)。年末年始この夫妻にわたしは「風変わりな姉」枠に勝手に入れられて、なんか泳がされてる感であった。


しかし、パルミジャーノ・レッジャーノがスーパーに余裕で出回る今でも、あの朝のもちもちしたブイヨン濃いめのリゾットの味が忘れられない。
「やっぱ日本の米じゃダメなのかなぁ」
という高校生の妹の呟きも。